日本完全帰国:永住権放棄 vs アメリカ市民権取得+日本の在留資格

永住権(グリーンカード)保持者が日本への完全帰国を考える場合、一般的には次の3つの選択肢があります。

  1. 日本帰国後も永住権を維持する
  2. 永住権を放棄する
  3. アメリカ市民権を取得し、日本で定住資格を取得してアメリカ人として生活する

今回は、永住権放棄の話に入る前に、その他の選択肢についても整理してみたいと思います。

1. はじめに

予告編でも触れましたが、以前は日本への完全帰国の可能性を約6割、アメリカに残留する可能性を約4割と見ていました。しかし現在(2026年)は、日本帰国の可能性は約1割、アメリカに残留する可能性が約9割と考えています。それでも、将来日本に帰国する場合に備えて知っておきたいポイントを整理し始めました。

ここでは、以下の順で各オプションを検討します。

  1. 日本帰国後も永住権を維持
  2. 永住権の放棄
  3. アメリカ市民権取得後に日本の定住資格を取得

2. 帰国後もアメリカ永住権を維持

一つ目の選択肢は「日本に帰国後も永住権を維持する」です。
アメリカを離れて日本に完全帰国する場合、永住権の維持はほぼ不可能と考えられます。USCISのサイトでも以下のように記載されています。

Abandoning Permanent Resident Status: You may also lose your permanent resident status by intentionally abandoning it, including but not limited to:
・Moving to another country and intending to live there permanently;
(以下略)

(Source: https://www.uscis.gov/green-card/after-we-grant-your-green-card/maintaining-permanent-residence)

つまり、アメリカを離れ、日本に永住する意思がある場合は「intending to live there permanently」に該当し、永住権を維持するのは非常に困難です。

カルチャーショック(主人の場合)、逆カルチャーショック(私の場合)の問題もあるため、最初は「お試し帰国」として日本で生活できるか確認する場合は、まだ「永住意思」とはみなされない可能性もあります。

ただし、実際に永住権を維持するには大きな努力が必要です。例えば、友人の事例では、国際結婚後に日本に数年滞在する間、何度も再入国許可を取得し、渡米も頻繁に行っていました。また、賃貸用物件を購入して管理会社に任せることで、永住権維持の条件を満たす人もいるそうです。

弁護士事務所の見解も参考になります。

米国外に住んでいても、グリーンカードを維持する事は可能ですか?
可能です。但し、米国を離れたのは「一時的」であり、再度米国に帰ってくる意図がある場合にのみ可能です。この様な場合は、米国での銀行口座の維持、米国運転免許証の維持、米国での税金申請、米国での家の所持(家を第三者に貸し出す事も含む)など、米国との関係を維持しようという態度を見せる事が重要です。その様な努力をした上で、なぜ米国外にいるのか、そしていつ米国に戻るつもりなのかなどつじつまの合う様な言い訳を準備しておく事も必要です。この方法でグリーンカードを維持する人はたくさんいます。

(出典:https://djjon.es/?p=626)

個人的には、ここまでの維持は現実的ではないと感じています。家族や賃貸物件などでサポートが得られる場合は別ですが、多くの人にとってハードルは高いと思います。

3. 永住権の放棄

最も現実的なオプションは、永住権の放棄です。メリットとしては、日本に完全帰国後にアメリカを旅行する際に、長期海外滞在によるグリーンカード維持の心配がなくなること、確実に入国できることが挙げられます。

デメリットは、「covered expatriate」と認定された場合に出国税(Exit Tax)が発生する可能性があることです。詳細は別の記事で解説予定です。

尚、在日米国大使館と領事館によると、永住権放棄による移民法上の不利益はなく、必要になれば再度申請することも可能です。

重要事項: 米国の永住権(LPR)を正規の手続きにて放棄することで、将来米国の移民関連の手続きをする際、不利になることはありません。
ただし、将来再び申請する場合は、新たに通常の申請手続きを行う必要があります。

(出典: https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/immigrant-visas-ja/green-card-ja/abandoning-lpr-i407-ja/)

永住権を放棄した後でも、ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program)が使える場合もあります。尚文中のLPRとはLawful Permanent Resident(合法永住者)の略です。

What Happens After Giving Up LPR Status: Once an LPR has completed and submitted the I-407 and surrendered the green card, this act is irrevocable, meaning it cannot be undone. The result is that the former LPR now might need a visa to travel to the U.S., or might be able to travel without a visa under the Visa Waiver Program, which applies only to citizens of certain countries. You will also, on future trips to the U.S., need to carry your USCIS response to your I-407 with you.

(Source: https://www.nolo.com/legal-encyclopedia/how-voluntarily-abandon-lawful-permanent-residence-green-card.html)

以下が私が言いたいことが全て盛り込まれています(日本人向けに書かれているわけではないので、アメリカへの旅行にビザが必要になると書かれていますがビザが必要になる国もあるということでさらっと読み流してください)。

So, trying to hang onto your U.S. green card after moving to another country could mean that you ultimately waste time and money in any attempts to travel to the United States. You might just be turned around at the border or airport and sent home.

After filing an I-407 with U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS) to voluntarily give up the green card, your situation will be much clearer. You’ll still be able to apply for entry visas for short trips to the United States. And if someday you want to apply for a new green card, the fact that you voluntarily abandoned your residency earlier will not be held against you. (Do not assume, however, that you can simply get your old green card back. It might be that you no longer qualify for it.)

(Source: https://www.alllaw.com/articles/nolo/us-immigration/why-voluntarily-abandon-green-card-i-407.html)

4. アメリカ市民権の取得

アメリカ市民権を取得すると、長期間アメリカを離れても再入国が可能で、日本での生活も可能になります。その場合、日本で生活するには日本での定住資格を取得する必要があります。

元日本人がアメリカ市民権を取得した場合、最初は「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するのが一般的です。「等」というところに「日本人の子供」(=親が日本人)という資格も含まれているからだそうです。以前興味があって調べたのですが、申請時に親が存命である必要はないそうなので、親が高齢だから急いで手続きしなくてはいけないということでもないようです。

また、以下の通り、親が日本人の場合は、特例で1年後に永住権を取得できるケースもあります。

日本人や永住者、特別永住者を親に持つ子供(実子または特別養子)は日本に来て1年経てば特例で永住権(永住ビザ)を獲得できる可能性があります。

(出典:https://visaconsultant-lawer.com/eijyu/requirement/short-period/)

私の場合、配偶者が外国人で日本に住む必要があるため、このオプションはほとんど対象外ですが、独身や日本人夫婦の場合には検討に値する選択肢です。

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