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アメリカ生活:心停止からの生還・回復記録 (3) — 救急病院への到着と診断

突然の心停止により、救急車で救急病院に運ばれた主人の生還・回復記です。今回は救急病院に到着してからの話です。

1. 前回のあらすじ

自宅で、突然胸の痛みを訴えてソファーに横たわった主人が数分後に心停止となりました。救急隊員がかけつけて蘇生に成功し、そのまま救急病院へと移動しました。私も主人とは別の救急車に乗せてもらい病院へと向かいました。

2. 救急病棟にて

主人の乗った救急車よりかなり遅くなりましたが私も救急病院につきました。私も病院へ向かっているという話はすでに伝わっていたようで、すぐに主人のもとに案内してもらいました。とはいえ、主人はCTスキャンの最中で実際には検査室の外で待たされました。その間、医師らしき人に、心停止が起こった時の状況、主人の身長や体重、いつも飲んでいる薬の名称と量、アレルギーの有無、心停止前の主人の生活習慣(喫煙、飲酒の有無)や運動能力(杖や歩行器などなしで歩けたか)、仕事の有無等を聞かれました。

尚、同じ質問は繰り返し何度も(この日だけで3~4回)聞かれました。説明はありませんでしたが、身長と体重は(多分)適正な投薬量や点滴の量を計算するために必要だったのではないかと思います。また、転院後は身長と体重については食事療法士にも聞かれました。主人の身長は知っていたものの、体重は知らなかったので、主人の体重を聞かれる度に心苦しく思いました。もっとも、身長をベースに適正体重を計算してそれを利用するようなことを言っていたので、体重が分からないからと言ってそれほど問題視されるようなことはありませんでした。

私への質問が終わったところで、逆に私のほうから何が起こったのか・原因が分かったのかを聞いてみました。口頭で教えてくれたのですが、聞いたことのない単語だったので、メモ帳のアプリを開いた状態のスマホを差し出して、打ち込むようお願いしました。「Cardiac Arrest (Ventricular Fibrillation)」とのことでした。「心停止(心室細動)」という意味ですが、この後、主人の家族や友人に説明するのに必要な情報だったので、恥を忍んでメモ帳にタイピングしてもらってよかったと思いました。

教訓:万が一のときのため、家族の身長・体重は日ごろから把握しておくことをお勧めします。また、聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥という通り、病名等、知らない単語が使われたときはつづりを教えてもらって書き取る、またはメモ帳等に書いてもらいましょう。

3. 集中治療室への移動のための待機

CTスキャンが終わってからは救急治療室内の別の小部屋に移動になりました。主人はベッドに横たわっており、病院の職員の人(トランスポーターと呼ばれる職種のようです)がベッドごと移動させていました。私も慌てて後ろから追いかけましたが、小部屋には入れてもらえず小部屋のすぐ外の救急治療室(手続きは終わったものの治療がまだ始まっていない患者さんがいるエリア)で待たされました。

小部屋では看護婦さんらしき人がずっと主人に付き添っていましたが、特に治療を行っているわけではなく容体が急変しないか経過観察をしているような感じでした。途中でシフト交代の時間で看護婦さんが入れ替わりましたが、小耳にはさんだ話によると集中治療室に空き部屋が出るのを待っているようで、なかなか移動させられないので看護婦さんも困っているような口調でした。

この間、私は椅子を用意してもらえたので座って待っていましたが、入院手続きのための書類を持った人がやってきたのでその場で入院手続きを済ませました。救急隊員の人に前もって主人の保険証と運転免許証を預けていたのですがどちらもこのときに返却してもらえました。

勤務先にはEメールで、主人に対して緊急の医療処置が必要になったため、自宅を離れて病院に来たこと、現在は救急治療室にいることのみ簡潔に連絡しました。

4. 集中治療室の家族待合室で医療方針の説明を受ける

2時間強待たされた後、やっと集中治療室のある階へ移動になりました。ここでは、主人は集中治療室へ直行、私は同じ階の家族待合室に案内されてそこで待つようにと言われました。

私が家族待合室に案内されたときは誰もいなかったので、私一人での利用でした。ほどなくして、研修医の人がやってきて、先ほど同様、心停止が起こった時の状況、主人の身長や体重、いつも飲んでいる薬の名称と量、アレルギーの有無、心停止前の主人の生活習慣(喫煙、飲酒の有無)について聞かれました。また、主人が医療委任状(Health Care Proxy)に署名したことがあるかどうかなども聞かれました。

その後、医療方針の説明がありました。「生存の可能性が高い(”There is a good chance of survival”)」けれども、心停止から蘇生までの間に低酸素脳症になっている可能性が高いので脳神経機能への後遺症が残る可能性があることや、後遺症を軽減させる(脳損傷の進行を防ぐ)ための方法として、主人の体温を低温にした状態で24時間は鎮静剤を利用して安静にさせるとの説明がありました。また、その後、徐々に温めて体温を平熱に戻した状態で2~3日ほど今度は体を休ませるとのことで、これらは心停止から蘇生した患者に対する一般的な治療法だといわれました。また、その間鎮静剤で眠らせるので、実際にどの程度の損傷が脳に加わったかについては3~4日後に目覚めてからでないと判断できないとも言われました。家に帰ってから検索したところ、「体温管理療法(Targeted Temperature Management)」と呼ばれる処置のようでした。

再び待合室で一人きりになりました。ここでやっと主人の家族に連絡をすることを思いつき、主人の両親の自宅に電話をしました。本当はもっと早く連絡をするべきだったのかもしれませんが、実はここ数週間、諸事情で主人と家族間で仲たがいをしていたため主人としては家族に連絡をして欲しくはないのではないかと思ったこと(仲たがいをする度に、主人の家族との電話連絡はするなと言われており今回もその最中でした)が主な原因ですが、救急車で運ばれる前に主人の帰宅用の洋服(ジーパンや靴)を主人のバックパックに詰め込んだことから分かるように、病院での検査が終わったらすぐ家に帰れるつもりでいたからだと思います。入院が確定になったので退院までの間に主人の容体が急変したりするなど万が一のことも考えると連絡はやはり必要だろうなと思い、後で主人に叱られるのを覚悟して電話をしました。義母が電話に出たため、主人が心停止となったが蘇生に成功したこと、救急車で救急病院に来たこと、今は主人は集中治療室にいるが私は家族待合室で待っていること、集中治療室には3~4日はいないといけないらしいということを伝えました。義母には毎日電話して様子を知らせて欲しいと言われ、了承して電話をきりました。携帯の記録をみると911をダイアルしたのが午後2時30分頃、主人の両親宅の番号をダイアルしたのが午後6時50分頃だったので、主人が心停止になってから4時間強たってからのことでした。

その後、主人の友人(主人がいつも犬の散歩をさせている友人や、主人が救急車に乗っていくのを奥さんが見たため私に様子を聞いてきた友人等)に、少なくとも集中治療室に3~4日滞在することになりそうとのメッセージを送りました。私の家族には、とりあえず姉にだけLineで現状報告のメッセージを送りました。

結局、私が主人の病室に呼ばれたのは夜の10時半を過ぎた頃でした。主人は個室を割り当てられていました。担当医師から、主人の体温を適正なレベルまで下げるのに手間取ったがやっと体温が下がったとの説明がありました。そして好きなだけ主人のいる集中治療室にいていいと言われました。「それって一晩中いてもいいってことですか?」と聞いたところ、もちろん泊っていっても構わないと言われました。とはいえ、私がいても何かできるわけでもないし、現実問題としてはスマホの充電も必要だし、勤務先にももっと詳細にメールをしてSick Leaveを貰わないといけないしと思い、1時間ほど滞在をして病院を後にしました。

この時もまだ事の重大さを理解しておらず、3~4日入院したら自宅に連れて帰れるつもりでいて、病院にあるような背の部分がリクライニングになっているベッドのレンタルは可能なのかなとか、万が一車椅子になったらタクシーに乗せられるかな等、見当違いな心配をしていました。

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コメント

  1. mutoryo より:

    大変なことが起こりましたね、このアメリカで起こる事をシェアしてくれるのは私にとっても非常にありがたいです。ありがとうございます。

    私はカリフォルニア移住10年目のRYOと言います。
    以前から余ってるお金を投資しようと思っていましてこちらで参考にしながら始めました。

    引き続き注目していきます。ご主人の回復を祈ってます。