間が空いてしまいまいましたが、突然の心停止により、救急車で救急病院に運ばれた主人の生還・回復記の続きです。今回は心停止の場合に一般的に取られる治療法、体温管理療法のときの経験です。
1. 前回のあらすじ
突然の心停止から蘇生後、集中治療室に運ばれた主人ですが、低酸素脳症による脳神経機能への後遺症を軽減させる(脳損傷の進行を防ぐ)ための方法として、3日間におよぶ体温管理療法をとることを伝えられました。
2. 体温管理療法とは
繰り返しになりますが、主人の体温を低温にした状態で24時間は鎮静剤を利用して安静にさせるとの説明がお医者さんからありました。また、その後、徐々に温めて体温を平熱に戻した状態で2~3日ほど今度は体を休ませるとのことで、これらは心停止から蘇生した患者に対する一般的な治療法だといわれました。
これに関してサーチをしてみたところ以下のような記述をみつけました。
「体温管理療法(TTM: Targeted Temperature Management)」はいわゆる「低体温療法(Therapeutic Hypothermia)」と「平熱療法/常温療法(Anti-hyperthermia, Induced normothermia)」を含み、高体温を回避することで脳障害の進行を防ぐことに加え、中枢神経の保護作用を期待する治療法です。
(引用元 : https://www.bdj.co.jp/interventional/support/temperature/ttm-about.html)
3. 体温管理療法1日目(心停止の翌日)
前回書き忘れましたが、前日の時点で主人には経口気管挿管がなされており、人工呼吸器が取り付けられていました。体温管理療法の間は鎮静剤で深く眠らせているため、自発呼吸も困難になるため人工呼吸器をつけるのは一般的だという説明を受けたような気がします。
この日は仕事を休んで一日中主人の病室にいたのですが、主人はほぼずっと寝ていました。ただ麻酔と違って鎮静剤なのでずっと眠り続けるというわけではなく、外部からの刺激や騒音などで目を覚ますことがあるようで、たまに目を覚まして瞬きをすることもありました。目を覚ましても一瞬でまたすぐに寝付いてしまったのですが、少なくとも脳死状態となるような危険はなさそうということはこの時点で分かり一安心でした。
一度、主人が瞬きをしていることに看護婦さんが気が付いて「Welcome Back(お帰りー)」と声をかけたときには、笑おうとした(ように見えました)ので、こちらの話す言葉も理解しているようでした。
尚、後々分かったのですが、主人の担当医は一日一回、回診にきてくれるようでした。大抵5~6人位の研修医をともなって来られ、病状の説明を研修医にして必要に応じて看護婦に指示を出して去っていくのですが、私が病室にいるときは最後に私にも簡単に説明をしてくれました。この日は、「24時間の低体温療法終了後、48時間の平熱療法を行い、その後で症状の診断を行う予定」ということを改めて伝えられました。
4.体温管理療法2日目
この日は土曜日だったので、やはり朝から主人の病室に行って一日過ごしました。
病室に入った時には、看護婦さんから、主人は夕べから小刻みに身震いをしているけれども医師には報告済みで、医師には「よくあることだ」と言われたとの報告を貰いました。
回診にきてくれた担当医(+研修医)によると、主人の症状は「依然として重篤だが安定している (still critical but stable)」であること、また徐々に鎮静剤の量を減らしていく旨を伝えられました。
とはいえ、午後になって一層身震いをするようになり、また激越状態になっていたため、本来体を休める時期にこのような状態になるのは望ましくないとのことから、追加の鎮静剤を処方されたようで、そのせいもあってこの日もほぼ一日に眠っていました。
ちなみに、一日中病室にいて何をしていたかというと、主にスマホで医療言語や症状のインターネットサーチをしたり、主人の妹(義妹)とテキストのやり取りをしていました。主人は6人兄弟姉妹なのですが、みんなで一斉に私に連絡を取ると私の負担が大きいだろうということで、義母が義妹に仲介役を頼んだようで、主人の病状や医師の言葉を私が義妹にテキストし、義妹がそのテキストをコピペしてその他の義理の兄弟姉妹にテキストをグループ送信してくれました。また、私が送ったテキストの内容は義妹が毎日義父母にも電話で伝えてくれたようでした。
この日は主人のお見舞いに来てもらうのは体温管理療法3日目となる翌日(日曜日)がいいか、体温管理療法終了後(月曜日)がいいかについて意見を交わしました。実は入院が決まった時にすぐに駆けつけた方が良いか聞かれたのですが、危篤というわけではないし、体温管理療法はほぼ眠っていること、また義理家族は別の市に住んでいて病院から車で3時間弱かかるので、「すぐに来てもらう必要はない」と私の方で断っていましたが、主人の意識が戻ったら是非来てほしいと伝えてありました。
5.体温管理療法3日目
やはり朝から主人の病室に行って一日過ごしました。
朝、私が病室を訪れると、主人が私の顔を見て私を認識し、笑いかけてくれました。看護婦さんによると、簡単な命令(たぶん、目をつぶってとか、指を握ってとかいう命令だと思います)に従ったので、鎮静剤の量を少し減らしたとのことなので、そのおかげではないかと思います。
その旨を義妹にテキストしたところ、義母を説得して2人で主人の見舞いに来てくれました。義母が「お医者さんと話したい」というので、駄目もとで看護婦さんに頼んでみたところ、研修医に連絡をとってくれ、研修医から義母と義妹に病状について説明してもらうことができました。
尚、主人の身震いは収まらず、特に手や足を動かそうとすると余計に身震いがひどくなるようでした。こちらについては、後日、神経内科医によってお薬が処方され徐々に収まりました。
**********************
I am a Japanese, residing in the US. I am trying to find a way to earn stable income at home through investments in stocks or other products as well as some sort of internet business. ▶ More detailed profile can be viewed from here.
最新記事 by 暮眞★潤 (Jun Kurema) (全て見る)
- ジム・クレイマー氏に学ぶ:2024年9月末時点のクレイマー氏の慈善信託 (charitable trust)のポートフォリオ - 2024年10月21日
- ジム・クレイマー氏に学ぶ:2024年8月末時点のクレイマー氏の慈善信託 (charitable trust)のポートフォリオ - 2024年9月1日
- ウォーレン・バフェット氏に学ぶ:2024年6月末のバークシャー・ハサウェイのポートフォリオ(2024年8月公表) - 2024年9月1日
- メトロポリタン・オペラ 2024-2025シーズンの演目一覧(劇場・ラジオ・映画館) - 2024年8月5日
- ジム・クレイマー氏に学ぶ:2024年7月末時点のクレイマー氏の慈善信託 (charitable trust)のポートフォリオ - 2024年8月5日