アメリカのIRA(個人退職口座)および401(k)(確定拠出型年金)制度についての基礎知識(2025年版)

アメリカの退職貯蓄制度(IRAと401(k))について、2025年時点の最新情報をお届けします。

どちらも将来に備えて個人で積み立てる年金口座で、税制上のメリットがあります。大きな違いは、IRAは勤労収入があれば誰でも開設可能であるのに対し、401(k)は勤務先がプランを提供している場合にのみ加入できる点です。また、年間に拠出できる金額にも大きな差があります。

1.IRAについて

1.1 IRAとは

IRA(Individual Retirement Account / 個人退職口座)は、自分で好きな金融機関(銀行・証券会社など)に口座を開設し、毎年一定額まで積み立てられる制度です。本人が働いていなくても、配偶者に勤労収入があれば夫婦それぞれの口座に拠出可能です。

1.2 2025年の拠出限度額

2025年のIRAの年間拠出限度額は以下の通りです:

  • 50歳未満:$7,000
  • 50歳以上:$8,000(Catch-up Contribution 含む)
    ※2024年と同じ水準です。(参照:IRS

拠出期間は、その年の1月1日から**翌年の税申告期限(通常4月15日頃)**までです。

1.3 投資オプション

拠出したお金をどのように運営するかも全く自由です。なので、CD(定期預金)、株式、ETF、ミューチュアルファンド他、なんでもOKです。

2.401(k)について

2.1 401(k)とは

401(k)は、勤務先が提供する確定拠出型年金制度(Defined Contribution Plan)で、給与から天引きされたお金を積み立てます。

2.2 2005年の拠出限度額

2025年の個人による拠出限度額は以下の通りです:

  • 通常の拠出限度:$23,500
  • 50歳以上のCatch-up:+$7,500(合計$31,000)
  • ※さらに、60~63歳の人は一部プランで最大$11,250までcatch-up可能です(プランによります)。(参照:Fidelity

※Employer Matching(雇用主の拠出)は別枠で、Employerとの合計金額は別途IRSの上限があります。

2.3 投資オプション

401(k)は、雇用主が指定した証券会社・商品から選ぶ形になります(IRAのような自由度はありません)。

401(k)で何に投資したらいいか迷っている方は以下の記事を参考にしてみてください。

3.IRAと401(k)、どちらに優先的に拠出するか

勤務先に401(k)の制度がある場合には、401(k)とIRAと両方に拠出することが可能です。ただし資金が限られている場合は、次の点を考慮して優先順位を決めましょう:

  1. マッチングの有無:雇用主が401(k)でマッチング拠出してくれるなら、最低でもその分は401(k)に拠出すべきです。
  2. IRAの税控除適用の可否:401(k)やその他職場プランに加入していると、Traditional IRAの税控除が制限される場合があります(後述)。その場合はまず401(k)優先が合理的です。
  3. 手数料:401(k)に口座維持費がかかる場合、IRAの方が有利なことがあります。

4.Traditional IRA/Pre-Tax 401(k)とRoth の違い

IRAと401(k)をさらに分類すると、どちらもTraditional(Pre-Tax)とRothがあります。

4.1 Pre-Tax(Traditional IRA / Pre-Tax 401(k))

拠出時に所得控除が受けられ、引き出し時に課税されます。所得税の支払いが将来に延期されます。

4.2 Roth(Roth IRA / Roth 401(k))

拠出時に税金を払いますが、将来の引き出しが非課税(条件付き)になります。

5.Rothの所得制限(2025年)

Roth IRAには所得制限があります。2025年の目安は次の通りです:

申告区分満額拠出できるMAGI一部拠出拠出不可
Single / Head of Household$150,000未満$150,000~$165,000$165,000以上
Married Filing Jointly$236,000未満$236,000~$246,000$246,000以上
Married Filing Separately(同居)$10,000未満$10,000以上

Roth 401(k)には所得制限はありません。

項目Roth 401(k)
所得制限なし
利用条件勤務先の401(k)プランにRoth optionがある場合のみ

6.Traditional IRAの控除制限

Traditional IRAの所得控除(税金控除)は、職場の退職プランの加入状況と所得レベルによって制限されることがあります。高所得者やプラン加入者の場合は控除額が減る可能性があるため注意が必要です。以下、簡単なまとめです。

状況所得制限の影響
本人・配偶者とも職場リタイアメントプランなし所得に関係なく全額控除可
本人が職場プランありMAGIにより全額/一部/控除不可
配偶者のみ職場プランありMAGIにより全額/一部/控除不可
高所得+職場プランあり控除不可(After-Tax扱い)

※詳細な金額は毎年変わるため、必要に応じてIRS最新表を参照してください。

7.その他の制度

  • 403(b)プラン(非営利団体向け)
  • 457(b)プラン(政府職員向け)
  • Solo 401(k)(自営業者向け)

これらも401(k)と似た税制優遇のある制度です。

8.いつ引き出す?RMD(Required Minimum Distribution)

Traditional IRAや401(k)は一定年齢で**最低限引き出す義務(RMD)**があります。Roth IRAは原則としてこの規定はありません(オーナー存命時)。※詳細はIRSの最新ルールを確認して下さい。

まとめ

項目IRA401(k)
開設条件誰でも(勤労収入あり)勤務先の制度が必要
50歳未満の年間拠出上限$7,000 $23,500
50歳以上の年間拠出上限$8,000$31,000(※一部プランで60–63歳特例あり)
投資の自由度高い雇用主プラン内
Roth所得制限ありなし(プラン提供時のみ)

応用編:高所得者向けの裏技:Backdoor Roth IRA(Roth Conversion)

高所得者で直接Roth IRAに拠出できない場合でも、Backdoor Roth IRAを活用すれば、Traditional IRAに一度拠出したお金をRoth IRAに転換することで、Rothの非課税メリットを活かした資産形成が可能です。

詳しい仕組みや手順は、以下の記事で解説しています:

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アメリカ(ニューヨーク)に住み始めて19年目です。株式投資、インターネット活動を通して自宅で安定収入を得ることを目指しています。 ▶ 詳しいプロフィールはこちらから。 ********************** I am a Japanese, residing in the US. I am trying to find a way to earn stable income at home through investments in stocks or other products as well as some sort of internet business. ▶ More detailed profile can be viewed from here.

コメント

  1. […] ※米国キャッチアップ拠出の詳細はハタラク「アメリカの退職プランを理解しよう!401(k)と Secure Act 2.0」、「アメリカのIRAおよび401(k)制度についての基礎知識(2025年版)」を参照。 […]

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