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離職、転職後の401(k)をどうするか(理論編)

これまで3つに分散していた401(k)を一つにまとめたので、この機会に離職、転職後の401(k) をどうするのがいいかについて改めて調べてみました。毎年Backdoor Roth IRAをしている人が面倒な手間をかかってくるのを避けたい場合についても解説します。

1. 入門編:離職、転職後の401(k)に関する選択肢

転職をした場合の以前の職場で積み立てていた401(K)の取り扱いですが、以下の4つの方法があります。以下、それぞれの長所、短所を列記します。尚、主に以下の記事を参考にしました。

1.1 そのまま旧職場の401(k)に入れたままにしておく

旧職場の401(k) で選んだファンドが結構気に入っている人や旧職場の401(k)でかかる手数料がさほど高くない人、また、単に手続きをするのが面倒くさいという人向けです。

長所

  • 何もする必要がないので楽です。
  • 引き出すまで、税金の支払いは猶予されます。
  • 借金のない人には関係のない話ですが、借金がある場合、債権者からの請求に対する保護がIRAと比べて厚いようです(参考:Investopedia:Top Reasons Not to Roll Over Your 401(k) to an IRA
  • 将来的に、別の勤務先の401(k)へロールオーバーする可能性を残しています。

短所

  • 投資先の選択肢が限られています。
  • 残高等に応じて401(k)運営費等がかかってくる可能性があります(401(k)プランによって異なります)。
  • 転職を何度もしていくと、401(k)の口座がいくつもできてしまい、残高や投資配分の把握、オンラインアカウントへのログイン情報等の管理が大変になってきます。

1.2 新しい職場の401(k)へロールオーバーする

新しい職場の401(k)がロールオーバーを受け入れてくれるというのが前提ですが、 退職資金用の口座を一元管理したい人向けです。また、 新しい職場の401(k) の投資の選択肢が優れている場合にはお勧めです。

長所

  • 引き出すまで、税金の支払いは猶予されます。
  • 残高や投資配分の把握、投資の再配分等の計算が簡単にできます。

短所

  • 新しい職場の401(k)がロールオーバーを受け入れてくれないと、この選択肢は選べません。
  • 投資先の選択肢が限られています。
  • 残高等に応じて401(k)運営費等がかかってくる可能性があります(401(k)プランによって異なります)。

1.3 任意のブローカーのIRAへロールオーバーする。

ミューチュアルアンドだけでなく、株式、ETF、ボンド、オプション等、いろいろ挑戦したい人向けです。旧勤務先の401(k)からローンをしている、第三者から借金をしていていて返せる見込みがない等、特別の事情がない場合は一番お勧めです。

長所

  • 引き出すまで、税金の支払いは猶予されます。
  • 好きなブローカーを選べます。
    • 口座維持手数料が無料のブローカーが多いので、手数料の節約になるケースが多いです。
    • 大手ブローカーだと24/7のサポートが得られることが多いです。
  • ミューチュアルアンドだけでなく、CD、株式、ETF、ボンド、オプション等いろいろな投資先があります。
  • 誰でもBeneficiary(口座保有者が亡くなったときの受け取り人)に指定できます。401(k)と違い、配偶者以外を指定する場合に、配偶者の同意は不要です。
  • 一定の理由の場合(higher education expenses, health insurance premiums or a first-time home purchase)には、59½歳以前であってもペナルティなしで引き出せます (参考:IRS: Retirement Topics – Exceptions to Tax on Early Distributions

短所

  • 旧職場の401(k)で投資可能だったミューチュアルファンドへ投資できない可能性があります。
  • 401(k)と違い、残高を担保としたローンを組むことができません。
  • 旧職場の401(k)からローンをしていた場合にはロールオーバーする前に返済する必要があります(返済できない場合はearly withdrawalとみなされて10%のペナルティがかかる可能性があります)。
  • 借金がある場合、一定以上の金額の残高がTraditional IRAまたはRoth IRAにある場合には、債権者からの訴えによって一部が返済にあてられてしまう可能性があります(401(k)や、SEP IRA、Simple IRAの場合は、全額が債権者から守られます)。(参考:Iawyers.com: If I File for Bankruptcy, What Happens to My IRA?)

1.4 引き出す

お勧めできませんが、次の仕事が見つからない、他にまとまったお金がない等、やむにやまれぬ場合の選択肢として、引き出して現金化するという方法があります。尚、お金が必要な理由が higher education expenses, health insurance premiums, first-time home purchase の場合には、一旦IRAに移したうえで引き出すとペナルティフリーになると思うのでIRAにロールオーバーした方がお得です(ロールオーバー後の待機期間はないと思うのですが、未確認です)。

長所

  • 引き出したお金を自由に利用できます。

短所

2. 応用編:毎年Backdoor Roth IRAをしている人の場合

まずは復習ですが、IRAと401(k)の両方に拠出している場合、年収(正確にはModified Adjusted Gross Income)のレベルによっては、Traditional IRAが税金控除の対象となりません。また、年収によってはRoth IRAもできない、できても限度額全てはできない可能性があります。

そこで、Non Deductibleにはなるものの、一旦Traditional IRAにAfter-Taxのお金をその年の限度額まで拠出後、改めてRoth IRAにコンバージョン(いわゆるBackdoor Roth IRA)を行うことによって、全額をRoth IRAに入れるという方法があります。この点については以下の記事でもっと詳しく説明していますが、実は私も毎年Backdoor IRAを行い、Traditional IRAは常に年末は残高ゼロの状態にしています。

Roth IRAに直接お金を入れられないけれども、Traditional IRAではなくRoth IRAで資産を増やしたい人のための裏技、「Roth Conversion」(またの名をBack Door IRA)について説明します。2019年の情報に更新済です。

Roth 401(k)の分については、(1)Roth IRAへロールオーバーまたは(2)新しい職場がRoth 401(k)を提供している場合には新しいRoth 401(k)へのロールオーバーの2択がありますが、どちらをとっても全く問題ありません。問題はPre-Tax部分です。

もしも私と同じようにNondeductibleなTraditional IRAを毎年Backdoor Roth IRAに入れている人(またはTraditional IRAにはAfter Taxのお金しか入っていない人)が401(k)のPre-Tax部分をTraditional IRAに入れてしまった場合、Traditional IRAにPre-Taxのお金とAfter Taxのお金が混在することになり、この状態でTraditional IRAの一部分のみRoth Conversionをすると、Conversionした金額の一部(Pre Tax部分)が課税対象、一部(After Tax部分)が無課税となり税金的に面倒くさいことになってしまいます。そんなこともあり、Pre-Tax部分のTraditional IRAまたはRollover IRAへのロールオーバーはお勧めできません。

ということで、オプションとしては以下が考えられます。

2.1 そのまま旧職場の401(k)に入れたままにしておく

私は一番古い401(k)は退職後9年以上放置していたのですが、その間に一度ブローカーの変更がありました。なので、あまりに長期間放置しておくとブローカーすら変わってしまう可能性がありますが、古い401(k)が気に入っている場合にはお勧めです 。

2.2 Pre-Tax分は新しい職場の401(k)にロールオーバー

私は最終的にはこの方法をとりました。詳細については以下の「実践編」の記事にて解説しました。

3つあった401(k)を一つにまとめたので、その時の体験をシェアしたいと思います。ちなみに、Pre-Tax分を現在の職場の401(k)へロールオーバー、Roth 401(k)をRoth IRAへロールオーバーしました。2021年8月の体験談です。

2.3 Pre-Tax分をTraditional IRAにロールオーバー後、続けてRoth IRAにコンバートする

Roth Conversion時に税金がかかりますが、401(k)の残高が少額の場合はお勧めです。これにより、これまで通り、今後もTraditional IRAへ拠出→全額Roth IRAへのコンバージョン(毎年、年度末のTraditional IRAの残高ゼロ)を続けられます。

ちなみに私の場合、一番古い401(k)は離職時(2012年1月)には$19,000強だったのですが、401(k)へのロールオーバーを開始した2021年8月末には$87,000強に増えていました。こんなに増えると知っていたら、離職時にさっさとRoth IRAへコンバートして401(k)の時と同じような投資内容にしておけば、かなりの節税になったのにと猛反省です(2012年1月時点であれば税金は$19,653.34に対してかかるのみだったのに、仮に今引き出すと$87,000強に対して税金がかかってきます。もちろん今後も残高が増えていくと思うので、将来引き出し時に税金の支払い対象となる額はもっと増えてきます)。

2.4 Pre-Tax分をTraditional IRAにロールオーバーし、Traditional IRAには今後拠出しない

Traditional IRAがNondeductibleになってしまうのは、401(k)とTraditional IRAの両方に拠出しているせいなので、Traditional IRAへの拠出をやめれば一挙解決です。

具体的には、老後資金の積み立ては401(k)への拠出のみに絞る、または401(k)とRoth IRAの組み合わせに変えます。尚、Roth IRAへ直接拠出できるかどうか・できるとしたらいくら迄かは収入額に応じて変わってくるので、収入が高めの人が 401(k)とRoth IRAの組み合わせをとる場合は、Roth IRAの拠出は翌年まで待つ(前年度のタックスリターンの準備を通して正確な Modified Adjusted Gross Incomeとそれに対応するRoth IRAへの拠出可能額を把握してから4月15日までに拠出する)ことになると思います。

退職資金が既に結構たまっている場合の選択肢です。

2.5 Pre-Tax分をTraditional IRAにロールオーバーし、401(k)には今後拠出しない

前述の通り、Traditional IRAがNondeductibleになってしまうのは401(k)とTraditional IRAの両方に拠出しているせいなので、 401(k)への拠出の方を辞めるという方法もあります。この場合、収入額にかかわらず、Traditional IRAへの拠出額はDedutible(Pre-tax)になります。(参考:IRS: IRA Deduction Limits

こちらも退職資金が既に結構たまっている場合の選択肢です。

尚、 Traditional IRAがNondeductibleになるか否かの判断には、配偶者が 401(k)等に参加しているかどうかも関係してくるので(タックスリターンのファイル時にMarried Filing Jointlyを選択している場合)、配偶者も401(k)への拠出を辞めてもらう必要がでてきます。なので、結婚している方はこれはあまり現実的なオプションではないようです。

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