
今回は、ミューチュアル・ファンドに投資する場合、具体的にどのファンドを選んだらいいのかについてのお話です。
目次
1. ミューチュアル・ファンドの情報収集の仕方・選び方
1.1 情報収集
まずは、ミューチュアル・ファンドについての情報収集の仕方です。
どんなミューチュアル・ファンドがあるのか、全く見当がつかないとい場合は、経済情報誌「Kiplinger」や「Money」がそれぞれ独自の手法でお勧めをファンドを掲載しているので、そこから始めるのがいいかと思います。
<Kiplinger>
<Money>
あるいは、フィデリティ証券等、各証券会社ではいろいろ条件を打ち込んで条件に合致したファンドを絞り込んでくれるスクリーニング・ツールを用意しているので、最初からスクリーニングしてしまってもよいかもしれません。このスクリーニング・ツールは証券会社に口座を持っていなくても利用できます。
また、モーニング・スター社のサイトもとても網羅的です。有料会員にしかアクセスできないコンテンツもありますが、登録しないままでもかなりの情報を入手できます。
1.2 選択基準
一般論ですが、ミューチュアル・ファンドを選ぶ際の選択基準としては以下のものがあります。
- 購入時の手数料
- Expense Ratio(残高に応じてかかる手数料)
- 過去の実績
- モーニング・スター社による評価(5つ星が最高)
- ファンドが保有する株式・債券(ミューチュアル・ファンドとは別に株式も保有している場合、既に保有している株式とミューチュアル・ファンドに含まれる株式がダブることが考えられます。なので、特定の株式に過度に投資が重複するのを防ぐのが理由の一つです)
2. 401(k)の場合のミューチュアル・ファンドの選び方
勤務先から提供される401(k)の場合、投資先がミューチュアル・ファンドのみということが多いと思います。また選べるファンドも予め絞り込まれていて、その中から気に入ったものを買う形になります。どのファンドを買ったらいいのか、私なりに思うところをまとめてみました。
2.1 あまり時間をかけたくない人におすすめ
あまり時間をかけたくない人におすすめなのは、ずばりTarget Date Fundです。これはBalanced Fundsの一種だと思うのですが、私の数少ない経験によると選択肢の一つとして、ほとんどの401(k)がTarget Date Fundを提供しているように思います。これは、引退する年に応じて株式と債券のバランスを徐々に入れ替えてくれるタイプの投資信託です。
私の現在の勤務先の場合ですと、引退する年(65歳?)を2015年、2025年、2035年、2045年および2055年を仮定したTarget Date Fundが選択肢の中に入っています。
検証したわけではないのですが、若いうちはできる限り利率の良くなるように株式の比率が高く、年を取るに従って徐々に債券の比率を高くしていく形のファンドだと思います。
2.2 自分で試行錯誤したい人におすすめ
私がとっているのはこの方法なのですが、Equity FundとFixed Income Fundを組み合わることです。これは、自分で試行錯誤したい人向けの方法です。
例えば、「私はまだ若いけど安全志向で債券比率を高めに運用していきたい」、「年齢と関係なく、株式比率を高めに設定して運用益をあげたい」、「せっかくなので勉強がてら自分で組み合わせたい」と思う人にはこの形がお勧めです。
私の場合は以下の手順で決めました。
(1)自分の401(k)内でのファンドの構成比を決めます。リスク分散する一方でハンドリングがしやすい数ということで、大体3~4つ程度が適当だと思います。例えば、大型株に投資するファンドに30%、小型・中型株に投資するファンドに30%、債券に投資するファンドに30%、その他のファンド(外国株、REIT、エネルギー関連株等)に10%といった感じです。
(2)それぞれのカテゴリー毎に何種類かのファンドが用意されていると思うので、その中からこれだと思うものをひとつづつ選んでいきます。例えば、大型株に投資するファンドの中でも、割安株(Value株)に投資するもの、成長性の高い株(Growth株)に投資するもの、両方にバランスよく投資するものなどがあると思います。
なお、この際の判断基準としては、手数料(Expense Ratio)、過去のパフォーマンスはもちろんですが、モーニングスターのRating、各ファンドの保有比率が高い株式は何かなども参考になります。
2.3 ウォーレン・バフェットもお勧め、インデックス・ファンド
投資の神様ウォーレン・バフェット氏はS&P 500連動のインデックス・ファンドの推奨者というのは有名な話なので、ご存知の方も多いと思います。選択肢の限られる401(k)の場合、S&P 500連動のインデックス・ファンドが含まれている可能性は低いのですが、もし含まれているようだったら検討に値するかと思います。
とはいえ、S&P 500連動のインデックス・ファンドはあくまでも大型株に相当するものなので、年齢に応じて債券に投資するファンドなどとも組み合わせていくことが望ましいと思います。
尚、私のお気に入りのPodcastの一つに「Planet Money」という番組があるのですが、最近聞いたエピソードの中で、バフェット氏とヘッジファンド・マネジャーが、S&P 500連動のインデックス・ファンドとヘッジ・ファンド(投資のプロの経験を活かし活発に株式を売り買いするファンド)が、2008年1月1日から10年の間に百万ドルの資金を、どちらがより高い収益を上げられるか競争をした時の話がありました。英語のポドキャストですが、興味深い話なので是非一度聞いてみてください。
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