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ジム・クレイマー氏に学ぶ:株式投資の基本(3)~成功のためのルール(CNBC “Mad Money w/Jim Cramer”より)

前回に引き続き、CNBCの人気番組「Mad Money w/Jim Cramer」のエピソード内、保存版エピソードの一つを紹介します。今回は「成功のためのルール」について放送された時のものです。何度か再放送されていますが、直近で放送されたのは2019年12月27日です。

1. エピソードの概要

CNBCで平日に放送中のクレイマー氏のワンマンショー「Mad Money」では、その日の株価の動きについては触れずに、投資の基本のみに焦点をあてたエピソードを放送する日が年に何度かあります。クレイマー氏の投資理論の基本を振り返る良い機会を与えてくれる保存版ともいえる放送です。

今回もそのような保存版の放送回の一つ、「Rules for Success」の内容をかいつまんで解説します。直近の放送は2019年12月27日ですが、2018年7月25日、2018年12月21日、2019年5月24日等にも放送されました。音声だけでよければ、本エピソードをまるごとPodcastで聴くことができます。ビデオクリップおよび英文のトランスクリプトが掲載されてるCNBCサイトのページについても、以下で適宜紹介しています。

2. 成功のためのルール

2.1 自分自身を知る必要がある (You need to know yourself)

投資を始める前には、投資をする目的が家を購入するためなのか、引退に備えて適切なリターンを求めているからなのか、投機目的なのかをまず考える必要があります。それ一つでどんな場合にも通用する(One-size-fits-all)ような投資法はないからです。どれくらいの速さで儲けを出したいか、どんなリスクを負う覚悟があるか、いくらまでならリスクをとっても良いか等を、まず最初に自分自身に問う必要があります。

何故なら、ゴールを決めることなくして、どの銘柄を買うべきか決めることができないからです何故なら、ゴールを決めることなくして、どの銘柄を買うべきか決めることができないからです。

例えば、リタイアメントファンドの場合はリスクが低く、ゆっくりだけれども堅実に利益の上がる銘柄が最適です。個別の銘柄についてのリサーチをする時間のない人は、S&P 500に連動するインデックスファンドを買うのが最も間違いのない方法です。これは長期的にみたアメリカ経済の成長に賭けているということになります。そういう理由もあって、最初の$10,000は個別の銘柄ではなく、S&P 500に連動するインデックスファンドを購入することを勧めています。また、高めの配当率を誇る銘柄をポートフォリオに組み入れることも有効です。

複数の目的を持つことがあると思うので、目的に応じて複数のポートフォリオを持つこともあり得ます。老後のために慎重に運営するリタイアメント用のポートフォリオと、早期に利益を得るためにより高いリスクを負う自由裁量のポートフォリオ(Mad Moneyポートフォリオ)等に分けるという具合です。家を買うための資金または大学へ行くための資金を貯めるためのポートフォリオは慎重に運営する必要があるという点で、Mad Moneyポートフォリオよりもリタイアメント用のポートフォリオに近いものになります。なので、個別銘柄を買い始める前に、分自身を知るということをまず最初に実行してください。

イントロ部分およびび2.1に関するビデオクリップ&トランスクリプトはこちらから → Mad Money: Follow these crucial steps to get started as an investor: Jim Cramer

2.2 個別銘柄を買う前にやること

(1) ホームワークを行う

株式を買おうと決めた会社の事業内容、その会社の利益構造および利益の額を知る必要があります。これは、オンラインで入手可能なSECファイリングを読んだり、収益報告に関するコンフェレンスコールを聞くまたはトランスクリプトを読んだり、記事やオピニオンを読んだりすることで、このようなリサーチを通して何故その会社の株が‘今後も上昇していくのか自分なりの意見を構築していきます。

(2)なぜその銘柄を購入するのかを他人に説明する 

なぜその銘柄を購入すべきかの考えがまとまったら、その理由を他人に説明する(口に出して自分自身で理解する)ことを推奨しています。このステップを踏むことにより、理論の飛躍がないか、この銘柄が上がるといいなという願望が入っていないかをチェックすることができます。

以上が終わったら、5~10銘柄からなるポートフォリオを作り始めることができます。

2.3 個別銘柄の購入後は、フレキシブルに対応すること(Always stay flexible)

一度作ったポートフォリオはいつまでもパーフェクトというわけにはいきません。市場が変わったり、競合企業がでてきたり、顧客がオーダーをキャンセルしたりというような様々の理由で株式を購入する前に考えた、その銘柄の購入理由があてはまらなくなった場合には、その銘柄は売るべきです。

状況が変わったことに気づいたら、その事実を受け止めましょう。ゴール・ポストを動かしたり、その銘柄を持ち続ける新たな理由を必死になって見つけるのはやめましょう。

2.2および2.3に関するビデオクリップ&トランスクリプトはこちらから →  Mad Money: Cramer’s key to maintaining the perfect portfolio: Stay flexible

2.4 感情の管理について(Managing emotion)

投資がうまくいかなかったときや大儲けのチャンスを逃してしまったときに、「もし~だったら」(“Would, Could, Should” gain can be)と考えることは無駄な思考です。

そのような思考を防ぐ方法として、問題となっている銘柄をウォッチリストや銘柄リストから外すという方法が有効です。

2.4に関するビデオクリップ&トランスクリプトはこちらから → Mad Money: Cramer pinpoints the hardest part of individual investing

2.5 会社の経営陣の言うことを信じること(When companies show you who they are, believe them)

CEOが業績が悪いと言ったらその言葉を信じましょう。その銘柄を持ち続ける理由を他に見つけ出して、その銘柄を売らないための言い訳を作るのは賢い選択ではありません。

会社のCEOは誰よりも会社の先行きについて知っています。他の人がアクセスできない情報にアクセスできます。そのため、コンフェレンス・コールや番組のインタビューでCEOの話を実際に聞くことは重要です。CEOの声はこれから業績が伸びる会社をみつけるための良いリソースになります。

経営陣がネガティブなことを言った場合には、特に注意を払う必要があります。ネガティブなニュースが出て株価が下がった場合は、少なくとも30日は買い控えるべきです。経営陣がネガティブなニュースを伝えるときは、過去の出来事ではなくて将来を見据えているのが通常です。もし少しでも業績が上向く余地がある場合には、わざわざ先行きの予想を下方修正するようなことはしません。もしも30日以内にちょっとでも好転する可能性がある場合には、声をつぐんでとりあえず待ちの体制をとるのが通常です。

30日というのは恣意的な数字に聞こえますが、クレイマー氏の経験上、悪いニュースが全て株価に織り込まれるのには30日程度かかるとのことです。

たとえ懐疑的に考える傾向のある人であっても、会社の経営陣が伝えるネガティブなニュース(業績予想の下方修正)は信じるべきです。経営陣は下方修正をすることを嫌うものですが、あえて下方修正をするというのはそれを打ち負かすだけの良い材料がないからといえます。つまり、早期に株価が回復する可能性は低いといえます。したがって少なくとも30日は「落ちてくるナイフ(Falling Knife)」として扱うべきなのです。

2.6 市場の動向が理論にかなっていると思い込まないこと(Don’t assume that the action necessarily makes sense)

株式市場は毎日、間違いをおかしています。株式の価格は間違った理由で、理由もなく、または愚かな理由で上下します。

これは特定の銘柄に対して投資家の判断が間違っているのが理由のこともあれば、その会社のファンダメンタルとは関係なく、同業他社の業績が悪かったからというだけの理由で同業他社の価格の変動につられることともあります。個別の銘柄に投資することによって、良いリターンを上げる可能性があるのはこのような理由からです。

ETFの台頭により、各銘柄の価格変動の半分は同じセクターの業績の良し悪しに左右され、会社の業績・経営陣による影響は価格変動の半分しかないと言われています。したがって会社の業績が良くても、同じセクターの会社の業績が悪いと足を引っ張られることがあります。

ただし、市場が間違いをおかしたときに、それに対抗しない方がいいこともあるということは念頭に置いておく必要があります。市場が合理的でないという状態が長い間続く可能性があるからです。

以上を踏まえて、市場が間違いをおかしたときは、それを認識し、その間違いをうまく利用しましょう。

2.5および2.6に関するトランスクリプトはこちらから → Cramer Remix: When companies show you who they are, believe them

3. 視聴者との質疑応答からみるクレイマー氏推奨の投資戦略

本エピソードに限らず、Mad Money放送中、随所随所で視聴者からの電話での質問に答えています。本エピソードでも途中で視聴者からの質問が何度か入りました。

以下、重要と思ったものを順不同、箇条書きで紹介します。

  • 会社の指標として一番重要なのは、Revenue Growth (当該会社の製品に対する需要の伸び)。
  • いっぺんにではなく段階的に買うというのは、個別銘柄だけでなくインデクスファンドの場合にもあてはまる。
  • ポートフォリオのすべてをS&P 500のインデックスファンドに入れるべきか、複数のインデックスファンドに分散すべきか? → 大半をS&P 500のインデックスファンドに、残りを別のインデックスファンド(1つか2つ)に入れるのがお勧め。
  • 給料の何%を401(k)に入れるべきか? → 可能な限り最大限入れるべき。
  • 新たに本を執筆する予定はあるか?→ 本の執筆は以前は利益の上がるビジネスでしたが、今はLabor of Love (奉仕活動; 物質的な報酬あるいは代償なしに自発的に行う生産的な仕事)となっている。本の執筆以外にLabor of Loveがある。
  • 高配当にもかかわらず株価が安い銘柄は典型的なレッドフラッグなので注意する必要がある。
  • これから投資を始める若い投資家におすすめの本は?→ Peter Lynchの「One Up On Wall Street」(邦訳:「ピーター・リンチの株で勝つ」)がおすすめ。

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