en_US

ジム・クレーマー氏に学ぶ:投資アプリ 「Robinhood」で人気の銘柄の探し方・利用上の注意

最近、TVの投資番組で、投資アプリ「Robinhood」の口座保有者に人気の銘柄が話題になることが増えてきたので、人気銘柄の探し方を検証してみました。

<2020年8月7日追記>
本日放送されたCMBC番組「Fast Money」によると、Robinhoodは各銘柄の口座保有者数の提供をサイト内で行うことを辞めることを発表したようです。また、APIへのアクセスも制限するようなので、Robintrackも今後は更新されないかもしれません。ということで、しばらく様子見をしたのち、この記事は大幅改定または削除することになる予定です。

以下、関連部分に関するTweetです。

1. Robintrack.net

1.1 サイト概要

最近、Mad MoneyやFast Moneyを始めとした投資番組で、ロビンフッドの口座保有者に人気の銘柄が話題になることが多くなってきたように思います。データの切り口がロビンフッドの口座から得られる情報(下記2参照)と違うので、データの出所がずっと気になっていたのですが、2020年7月14日放送のMad Money w/ Jim Cramerで情報源が紹介されたので、記憶の新しいうちに紹介したいと思います。

ずばり「Robintrack.net」というサイトが情報源でした。実はウォールストリートでは結構有名なサイトのようです。2018年に当時大学の4年生だったPrimozic氏がサイド・プロジェクトとして作ったサイトだそうです。(参考:Markets Insider: The Robinhood tracking site Wall Street is obsessed with was built by a college senior as a side project

尚、利用にあたって登録等は不要で、誰でも気軽に利用できます。

1.2 Leaderboard

Robintrackerサイトに行き、「Learderboard」のタブをクリックした場合には、ロビンフッド内での人気銘柄トップ50位が表示されます。以下は2020年7月14日のマーケットクローズ後の順位です。右側の白い字で書かれた数字は、当該銘柄を保有しているロビンフッドの口座数です。

これは、ロビンフッドの口座を持っている人が、自分の口座にログインして人気銘柄トップ100を見たとき(以下、本記事中2.2で紹介)と同じデータなので、既に口座を開設した人には特に目新しいデータではありません。

1.3 Popularity Changes

Learderboardの右隣りには、「Popularity Changes」というタグがあります。Robintrackの凄いところは、このPopularity Changesで利用できるデータです。

こちらも同様に、2020年7月14日マーケットクローズ時のデータですが、24時間内に、特定の銘柄の保有口座の数の変動が著しかった順にならんでいます。

尚、下の画面内に白地で説明文がありますが、単位未満株(Fractional Shares)を保有している口座も1として数えているようなので、保有口座が多いからと言って一概に取引高が高いとは言えないようなので、あくまでも参考値となります。

上記は24時間の変動でしたが、以下のように、過去一週間、30日間の変動を確認することもできます。また、初期設定では、トップ50の銘柄内での比較になっていますが、この値も変更可能です。

更にすごいのは、銘柄コードをクリックすることによって、当該銘柄を保有しているロビンフッド口座数(緑色)と当該銘柄の価格(ピンク)の変動をグラフで見ることができる点です。

例えば、以下は保有者数が激増しているTeslaのグラフです(2018年5月~2020年7月14日まで)。ロビンフッド口座数の推移は緑色で、当該銘柄の価格はピンクで示されています。

尚、この日の放送では、投機的な銘柄として、Everiについても若干触れていました。

2. (参考)ロビンフッド口座保有者の場合

ちなみに、もしすでにロビンフッドに口座を持っている場合は、自分の口座にログインすることによって、以下のような情報がみれます。

2.1 100 Most Popular

2.1.1 スマホアプリから見る場合

スマホアプリからは、以下の2つの方法でみれます。

(1)一つ目は、画面下中央の虫メガネ(赤丸で囲ってあります)をタップした後、検索画面で、「popular」とタイプする方法です。ちなみに下の画面のように「po」とタイプするだけでも大丈夫です。

「100 Most Popular」という項目がすぐ下に出てくるので、この項目をタップします。

(2)二つ目は、右下の人型(赤丸で囲ってあります)をタップした後、画面上部にあるパネルを左にスライドして、一番右の「See the most popular stocks on Robinhood」と書かれているパネルをタップするという方法です。

いずれのやり方でも、タップ後、以下のような画面が出てきます。以下は2020年7月14日のマーケットクローズした後の順位です。すっきりと見やすい画面です。

2.1.2 パソコンのブラウザから見る

パソコン画面の場合でも、以下の2つの方法でみれます。

(1)一つ目は、下のリンクをクリックする方法です。
        ↓
https://robinhood.com/collections/100-most-popular

(2)二つ目は、ログイン後に画面の下の方に、以下のような選択肢がでてくるので、「100 Most Popular」にカーソルを合わせてクリックするという方法です。

いずれのやり方でも、以下のような形で結果がでてきます。同様に、2020年7月14日のマーケットクローズした後の順位です。

2.2 Top Mover

RobintrackerのPopularity Changesに該当するオプションはみあたらないのですが、その代わりに、ロビンフッドでは「Top Mover」という項目があります。その日の価格の変動が激しかった銘柄をリストしていると思われます。

2.2.1 スマホアプリから見る場合

スマホアプリで見る場合、画面下中央の虫メガネ(赤丸で囲ってあります)をタップした後、検索画面で、「top」とタイプします。ちなみに下の画面のように「to」とタイプするだけでも大丈夫です。

「Top Movers」という項目がすぐ下に出てくるので、この項目をタップします。

タップ後、以下のような画面が出てきます。以下は2020年7月21日のマーケットクローズした後の順位です。

2.2.2 パソコンのブラウザから見る

パソコン画面の場合は、下のリンクをクリックします。
        ↓
https://robinhood.com/collections/top-movers

上記リンクをクリック後、以下のような画面が出てきます。以下は2020年7月21日のマーケットクローズした後の順位です。価格変動が大きかった銘柄トップ20が、Popularity (その銘柄を保有している口座数)の順に並んでいます。スマホの画面(上記の2.2.1)で表示されているのは、この並び方ということが分かります。

「Today」という文字をクリックすると、以下のように、最も価格が上昇した順に並び替えることができます。

「Today」という文字をもう一度クリックすると、以下のように、最も価格が下落した順に並び替えられます。

3. ロビンフッド人気銘柄情報を利用する場合の注意点

3.1 Jim Cramer氏の観点

2020年7月14日放送のMad Moneyの番組中で、クレーマー氏はこのRobintrackerのPopularity Changesを毎日チェックしていると言っていました。クレーマー氏がロビンフッド人気銘柄をチェックする理由は、ロビンフッドの顧客層であるミレニアムを中心とした若年の投資家の動向を知るためのようです。ちなみに、ロビンフッドはコロナパンデミック中に着実に顧客を増やしていて、現在の顧客数は1,200万人超とのことです。

どの銘柄を買うかを決める際に、人気上昇中の銘柄が何かを参考にするのは一つの案ですが、クレーマー氏は、Leaderboardを観察した結果、バランスシート(特に保有負債の額)を気にせずに買う投資家が多いという困った傾向(Troubling Trend)が見られることを嘆いていました。

例えば、2020年7月14日現在の保有者数トップ3としては、Ford、General Electric、American Airlinesがあげられますが、いずれも負債額も多く、財務体質が良くない会社となります。これらの銘柄が人気の理由としては、一株当たりの価格が安いこと(Low Dollar Stock)および有名な会社であること(Big Names) だと分析していました。また、正確な日付は忘れましたが、しばらく前の放送でも、Carnival CruiseやGoPro株への人気に対して懸念を表明していました。

そして、クレーマー氏は、このように財務体質の悪い会社の株ではなく、もっと将来性のある優良株の単位未満株(Fractional Shares)を買うべきであるとのアドバイスをしていました。優良株の例としてこの日の放送で名前が挙がったのは、Amazon、Apple、Teslaでした。(注:本記事は、これらの銘柄への投資を推奨するものではありません)。

ちなみにこのエピソードに関するビデオクリップはCNBCのサイトにないのに加え、なぜか2020年7月14日放送分はPodCastにアップされていないようです。といいつつ、The Street.coomで本エピソードのトランスクリプトを見つけたので併せて紹介します。

3.2 Hertz、JC Penny等からの教訓

尚、財務体質の悪い会社の株であっても保有者数が増えているという話で、倒産処理手続(Chapter 11)に入ることを表明したHertzの株に関する逸話を思い出したので紹介します。

以下、私のお気に入りPodcastである、Planet Moneyへのリンクです。

以下の記事でも、Hertzへの投資がなぜ良くないのか説明しています。

参考までに、Hertzの保有者数と、価格の推移表です。

ちなみに、既に倒産処理手続(Chapter 11)を通じて再生したJ.C. Pennyに関して、面白い記事を見つけたので、以下にリンクを貼っておきます。

Bloomberg: Amateur J.C. Penney Traders Beg Judge to Save Them From Wipeout

上記が読めない場合(Bloombergの購読を促すメッセージが出て全文が表示されない場合)は、以下のリンクからどうぞ(内容は同じですが、こちらにはグラフが含まれていないので、まずはBloombergのサイトを試してみてください)。

https://www.newsmax.com/finance/archives/jc-penney-traders-wipeout/2020/07/13/id/976955/

**********************

Robinhoodへの口座開設を考えている人は、以下の記事も参考にしてください。

The following two tabs change content below.