
今回から数回に分けて、私のポートフォリオに含まれるETF、ミューチュアルファンドおよび株式の銘柄について分析しつつ、保有を続けるか別の銘柄と入れ替えるか考えていきたいと思います。まずは高配当債ETFについてです。
1. 私のポートフォリオ
1.1 現状分析
高配当債ETF (High Yield Bond ETF) にあたる銘柄としては、ジャンク債に投資するJNK(SPDR Bloomberg Barclays High Yield Bond ETF)に投資しています。2020年の1年間で受け取った配当金は約$1,592だったので、JNKからの配当として平均で約$132を毎月受け取っていたことになります。
2011年7月に$20,000強の資金を投入、その後配当金を再投資しながらすっかり放置していました。この頃のフィデリティの口座のポートフォリオを見返してみると、株式とETFへの投資が55%位、ミューチュアルファドが30%位、CD(定期預金)と現金が15%程度でした。たぶん、高利回りの商品を探していたときに雑誌か何かで紹介されていたのを読んだのだと思います。
2020年末現在の残高は$31,669.18ですが、これには初期投資の$20,000強と2011年7月~2020年10月までに受け取った配当を再投資した分の合計となります(別の銘柄と入れ替えようと考え始めた2020年の11月から再投資を辞めています)。
1.2 今後の予定
このままにするか別のETFと入れ替えるか実はまだ迷っているのでとりあえずは保留です。後述の堕天使ETF(FALN、ANGL等)にちょっと惹かれていますが、結論を出すのはもう少し掘り下げて調べてからにしようと思います。
2. ジャンク債ETF (Junk Bond ETF)
ジャンク債の説明は別の記事に譲りますが、一口でいうと格付けの低い債券に投資するETFです。ハイリスクハイリターンで、価格の変動が激しいのでリスク許容度が高い人にしかお勧めできないジャンルです。
最も古くからあり資産総額も多いのはHYG(iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF )です。JNKと一緒に紹介されていたような記憶があります。USHY(iShares Broad USD High Yield Corporate Bond ETF)は今回調べ直して初めて目にしましたが、モーニングスターのレーティングもJNKよりも高くちょっと好感触です。
ちなみに、E*Tradeのリサーチツールの中に「Income Analysis」なるものがあったので使ってみました。もし過去に遡って投資していたらいくらになっているかを再投資をした場合、再投資をしなかった場合に分けて計算してくれる優れものです。これによると、JNKおよびHYGは元本自体の価値は下がっているものの高配当を受け取っているため総価値としては上がっています。
JNK | HYG | USHY | ||
モーニングスターによるレーティング | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | |
ファクトセットによるレーティング | B | B | A | |
総資産額 | $12.49B | $25.72B | $7.43B | |
利回り | 5.13% | 4.91% | 5.33% | |
手数料 (net) | 0.40% | 0.49% | 0.15% | |
ファンド開始日 | 11/28/2007 | 4/4/2007 | 10/25/2017 | |
2020年1月に$10,000を投資した場合の2020年12月(1年後)の価値 | 配当金を毎月再投資した場合 | $10,465.93 | $10,411.93 | – |
元本のみ(配当金を再投資しなかった場合) | $9,945.23 | $9,927.22 | – | |
配当金総額 | $507.07 | $481.63 | – | |
2016年1月に$10,000を投資した場合の2020年12月(5年後)の価値 | 配当金を毎月再投資した場合 | $14,235.33 | $14,097.05 | – |
元本のみ(配当金を再投資しなかった場合) | $10,708.74 | $10,833.95 | – | |
配当金総額 | $2,966.66 | $2,750.27 | – |
(注)上記は2021年1月17日に取得した情報です。「モーニングスターによるレーティング」および「ファクトセットによるレーティング」はFidelityのサイトから、「総資産額」、「利回り」、「手数料(net)」、「ファンド開始日」はYahoo Financeのデータを転記しました。「2020年1月に$10,000を投資した場合の1年後の価値」および「2016年1月に$10,000を投資した場合の5年後の価値」はE*Tradeのリサーチツール中の「Income Analysis」を利用しました。
<E*Tradeの「Income Analysis」の使用例:JNKの場合>

3. 堕天使債ETF(Fallen Angel Bond ETF)
ジャンク債ETFと似たような商品でもっとモーニングスターによるレーティングが高いものを探していてたまたま見つけました。FALN (iShares Fallen Angels USD Bond ETF)とANGL(VanEck Vectors Fallen Angel High Yield Bond ETF)の2つで、堕天使ETF(Fallen Angel Bond ETF)と呼ばれています。
過去のデータをみると、高利回りで元本もちゃんと値上がりしています。
FALN | ANGL | ||
モーニングスターによるレーティング | ★★★★★ | ★★★★★ | |
ファクトセットによるレーティング | – | B | |
総資産額 | $410.16M | $4.08B | |
利回り | 5.19% | 4.69% | |
手数料 (net) | 0.25% | 0.35% | |
ファンド開始日 | 6/14/2016 | 4/10/2012 | |
2020年1月に$10,000を投資した場合の2020年12月(1年後)の価値 | 配当金を毎月再投資した場合 | – | $11,333.29 |
元本のみ(再投資をしなかった場合) | – | $10,753.77 | |
配当金のみ | – | $501.80 | |
2016年1月に$10,000を投資した場合の2020年12月(5年後)の価値 | 配当金を毎月再投資した場合 | – | $17,255.41 |
元本のみ(再投資をしなかった場合) | – | $13,193.59 | |
配当金のみ | – | $3,166.88 |
(注)上記は2021年1月17日に取得した情報です。「モーニングスターによるレ―ティング」および「ファクトセットによるレーティング」はFidelityのサイトから、「総資産額」、「利回り」、「手数料(net)」、「ファンド開始日」はYahoo Financeのデータを転記しました。「2020年1月に$10,000を投資した場合の1年後の価値」および「2020年1月に$10,000を投資した場合の5年後の価値」はE*Tradeのリサーチツール中の「Income Analysis」を利用しました。
ちなみに、堕天使(Fallen Angel)とは、もともとは投資適格(Investment Grade)と呼ばれる高い格付けを受けていたけれどもその後業績の不良等で格付が下がってしまった会社を指すようで、そのような会社の発行する債券に投資するETFのようです。
以下、Yahoo Finaiceから2021年1月17日にとったデータですが、堕天使債の例としてはCarnival、Royal Caribbean、Kraft Heinz等が含まれていました。
<堕天使債の例:ANGLの場合>

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