
久しぶりに失業保険を申請することになりました。せっかくの機会なので失業保険の概要について改めて調べてみました。ちなみに、翌々週から始まる短期の仕事を貰ったので1週分の失業保険を貰って仕事再開、その後その仕事も終わったので失業保険の受け取り再開となりました。これらについては別途投稿します。
1. 通常時に失業保険を貰うための要件(ニューヨーク州の場合)
まずは、通常時に失業した場合の失業保険を貰うための要件です。なお、失業保険の制度は週によって異なるので、あくまでもニューヨーク州の場合です。
以下の通り、(1)2四半期以上にわたって失業保険でカバーされた仕事をしてお給料を貰っていたこと、(2)少なくとも1四半期中に、$2,600以上のお給料をもらったこと(2020年の場合)、そして(3)お給料として支払われた金額の総額が、一番多くお給料をもらった四半期の額の1.5倍よりも多いことが要件となっています。
You must have worked and been paid wages in jobs covered by Unemployment Insurance in at least two calendar quarters.
For claims filed in 2019, you must have been paid at least $2,400 in one calendar quarter (this amount increases to $2,600 for claims filed in 2020).
The total wages paid to you must be at least 1.5 times the amount paid to you in your high quarter. Your high quarter is the quarter of your base period in which you were paid the most money. Exception: If your high quarter wages were $11,088 or more, you must have been paid at least $5,544 (half of $11,088) total in the other three quarters of your base period.
(https://www.labor.ny.gov/formsdocs/factsheets/pdfs/p832.pdfより引用)
2. コロナ禍期間中の特例
2.1 失業保険受取対象者の拡大(Pandemic Unemployment Assistance )
ニュース等でご存知の方も多いと思いますが、コロナ禍期間中は、通常時には失業保険受け取りの対象にならない人も、失業保険が受け取れるようになりました。
具体的には、個人事業主(self-employed workers)、インディペンデント・コントラクター( independent contractors)、農業従事者(farmers)等です。
2.2 失業保険額の上乗せ (Pandemic Unemployment CompensationおよびLost Wages Assistance)
2.2.1 2020年7月26日に終わる週まで
また、通常の失業保険(ニューヨーク州の場合、最大$504/週)とは別に、2020年7月26日までは追加で$600が支払われました。
2.2.2 2020年8月2日に終わる週~9月6日に終わる週
私が失業保険の申し込みをしたのは2020年8月12日だったので、この時点では8月2日に終了する週およびそれ以降の週についても上乗せがあるかどうかは審議中でした。連邦政府から$300(州によっては州財政から$100がさらに上乗せ)と、金額が減るものの引き続き上乗せした金額を支払う旨のExecutive Orderにトランプ大統領が署名したようなので、$300~$400が上乗せされる模様でした。
その後、2020年9月11日に以下の内容のEメールを受け取りました。COVID-19のせいで失業した、または失業中である旨を申請すれば追加で$300を貰える可能性があるというものでした。この時点では仕事を再開していた(COVID-19にも関わらず直ぐに次の仕事が見つかった)ということで、申請は見送りました。

尚、短期の仕事が終わり、失業保険の再申請をした際(2020年10月4日)にこのEメールを思い出し、追加の$300の申請をしました。該当するのは2020年8月16日に終わる週のみでしたが、申請してから3日後の10月7日に無事$300が振り込まれました。
参考:Lost Wages Assistance Program FAQs
2.3 失業保険受取期間の延長(Pandemic Emergency Unemployment Compensation)
失業保険の受給期間は通常の場合26週ですが、Pandemic Emergency Unemployment Compensationとして追加で13週間、失業保険が支給されるようです。
ただし、有効期間は2020年12月27日までなので、これから申請を始める人(申請時に、2020年12月27日まで26週間を切っている人)にはあてはまらないようです。

2.4 更なる失業保険受取期間の延長(Extended Benefit)
通常貰える26週分の失業保険および上記の「Pandemic Emergency Unemployment Compensation」を使い切った時点での失業率の推移によっては、更にExtended Benefits として更に20週が延長される可能性があります。
参考:Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act
3. 失業保険とビザの関係
3.1 労働ビザで働いている場合
尚、失業保険を貰う前提として、職を失った理由が被離職者の責任ではないことおよび被離職者は、働く意欲があり働ける状態にあること、次の職を積極的に探していることが求められています。
To be eligible for benefits, you must also have lost work through no fault of your own; be ready, willing and able to work; and be actively looking for work.
(https://www.labor.ny.gov/formsdocs/factsheets/pdfs/p832.pdfより引用)
そして、明言されていませんが、「働ける状態 (able to work)」に関しては、病気ではないことや、他州・他国に旅行中でないことはもちろんですが、合法的にすぐに働ける(市民であるまたは、グリーンカード等を持っている)ことを要求していると思われます。
というのも、私が初めて失業保険を申請したときは、申請後すぐに以下の内容の文書を受け取ったらからです。「失業する2年前から現在に至るまで、合法的に働くことができたことを証明する書類のコピーを送れ」というのがその趣旨でした。このときは、旧職場で働き始めたときに労働ビザ(H-1Bビザ)をサポートしてもらったのが原因だったと思います(レイオフされる数か月前にグリーンカードを取得し、勤務先の人事にはその旨の連絡をしていたのですが、Department of Laborへの連絡がうまくいっていなかったのかもしれません)。
H-1Bビザ保持者の場合はビザサポートをしてくれた企業でしか働けない(最初にビザサポートをしてくれた企業ということではなく、転職活動をして新勤務先に新たにビザのスポンサーになってもらうことはできます)ので、勤務期間中の合法性の証明にはなるものの、離職後の労働の合法性(”you … are currently employment authorized”)の証明にならないのだと思われます。

参考までに、この時に提出を要求されたのは以下の書類でした。

3.2 グリーンカードの場合
グリーンカードをお持ちの方はご存知の通り、グリーンカードの申請の際に提出するI-864というフォームの中で、グリーンカードの申請者が「Public Charge」(政府から経済的な援助を受けること)とならない旨を宣誓します。
なので、失業保険の受け取りがPublic Chargeに該当するか気になると思いますが、結論から言うとPublic Chargeには該当しないようです。というのも、失業保険は、雇用主および非雇用主がこつこつと保険料を払った結果、受け取れる権利だからです。
と私が言いきっても信憑性がないので、ググってみたところ、以下のような記事を見つけました。
In the midst of the new public charge rule, many question whether unemployment insurance is subject to the public charge determination. As indicated in the final rule, unemployment insurance compensation is not generally taken into consideration for determining the public charge. The final rule states, “DHS would not consider federal and state retirement, Social Security retirement benefits, Social Security Disability, post secondary education, and unemployment benefits as public benefits under the public charge inadmissibility determination as these are considered to be earned benefits through the person’s employment and specific tax deductions.”
(UNEMPLOYMENT INSURANCE & PUBLIC CHARGEより引用)
ということで、グリーンカード保有者の方も、安心して失業保険が申請できます。
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