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アメリカでのお金の運用~何に投資するか (中級編:ETF) 

今回は、ミューチュアル・ファンドと似た投資商品、ETFについてです。

1. ETF (Exchange-Traded Funds)とは

ETFとは、Exchange Traded Funds(上場投資信託)の略です。Exchange (取引所、アメリカの場合はニューヨーク証券取引所やNASDAQ)でTrade(取引)されるFund (投資信託)ということです。

ミューチュアル・ファンドの場合は、一般的にはそのミューチュアル・ファンドを運営している運営しているファンド・マネージング会社またはファンド・マネージング会社を仲介している証券会社から直接購入するのに対し、ETFの場合は投資信託が証券取引所に上場されているので、株の売買と同じように証券会社を通して証券市場で取引することになります。

2. ETFの種類

ミューチュアル・ファンド同様、Equity  ETF (エクイティETF)、Fixed Income ETF (債券ETF)、Index  ETF (インデックスETF)、Balanced ETF(バランスドETF) があります。

また、特に断りのない限りETFの価格の動きは原指標(もととなる株や債券等)の動きと1対1で、上昇下降も原指標の動きと同じ方向で連動しますが、レバレッジがかかったタイプのものや逆方向に価格変動するものもあります。例えば2倍のレバレッジがかかったタイプの場合は原指標の価格が1動くとETFは動きが倍に、3倍のレバレッジがかかったタイプの場合は原指標の価格が1動くとETFの価格は動きが3倍変動します。また、インバース・タイプといって、価格の動きが原指標の価格と逆方向に動く(原指標の価格が上がると、ETFの価格が下がる)タイプのものもあります。

3. ETFの特徴

3.1 値決めのタイミング

通常の株式と同様、証券取引所(ニューヨーク証券取引所、NASDAQ, etc.)が開いている間は、売り注文と買い注文(需要と供給)のバランスに応じて値段が刻々と変わります。

3.2 最低購入金額

ミューチュアル・ファンドと違い、最低購入金額は設定されていません。ただし 通常は1シェア単位での購入になるので、その場合の最低購入金額は1シェアの価格になります。証券会社によっては単位未満株(Fractional Share)を購入できます。その場合はその証券会社が設定した最低購入単位または最低購入金額になります。

ちなみに、2020年1月末よりFidelityで単位未満株でのETFの売買が可能になりました。現在のところスマホアプリからの取引の場合のみ利用可能のようですが、これに伴いスマホアプリからの取引に限っては、最低購入単位は0.01シェア、最低購入単価は$0.01となります。(参考:Fidelity: Dollar-based investing)

3.3 購入・売却時の手数料

購入・売却時の手数料は株式と同額です。従って、利用する証券会社によって異なります。

2019年10月に Charles SchwabがETF取引手数料を無料にしたのを筆頭に、TD Ameritrade、E-Trade、Fidelity等、各社が追随しました。ということで、購入時にも売却時にも手数料無料という証券会社が多いです。

3.4 残高に応じた費用

ミューチュアル・ファンド同様、購入手数料とは別にファンドの運営費、マーケティング日及び人件費として、ファンドの残高に応じて費用がかかります。一般的にはミューチュアルファンドと比べると格安なことが多いです。具体的に残高の何パーセントの費用がかかるかは各ETFの「Exp Ratio」を確認してください。

3.5 売買の仕方

一般的には売買には金額ではなくて、シェア数を指定します。ただし、マーケット注文(現在レートでの指値注文)以外に、リミット注文(売買価格を指定して注文・指値注文)、ストップ注文(逆指値注文)ができるので、価格を指定しておけば結果的には取引金額を指定することになります。但し、その場合は、指定した価格に達しない可能性もあるので希望する日に売買できない、または売買する機会を喪失してしまうこともありえます。

単位未満株の売買ができる証券会社(Fidelityのスマホアプリ等)の場合は、ETFのシェア数または購入金額(ドル金額)のどちらかを指定して購入できます。

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