今回は、投資の初級編ということで、比較的手を出しやすいミューチュアル・ファンドについてのお話です。
目次
1. ミューチュアル・ファンドとは
まず、ミューチュアル・ファンドの定義ですが、下記のInvestopedia.comの説明を借用すると、「ミューチュアル・ファンドとは、株式、債券、短期金融市場商品、その他の資産等の有価証券に投資するため、多数の投資家から集められた資金を使って構成されるタイプの金融商品です。ミューチュアル・ファンドはマネー・マネジャーによって運営されますが、そのようなマネー・マネジャーはファンドの資産を配分し、ファンドの投資家のためにキャピタルゲインや収入を生み出そうと努力しています。」
2. ミューチュアル・ファンドの種類
一般的にミューチュアル・ファンドは以下の4つに大別されます。
2.1 Equity Fund(エクイティ・ファンド)
株式のみで構成されているファンドです。会社のサイズ(大型株、中型株、小型株)、株式の性質(割安株、成長株)、会社の業種(金融会社の株、半導体の会社の株、エネルギー関連の株等)、会社の設立国(中国株、インド株等)等、様々なテーマ(またはそれらのテーマのコンビネーション)に沿って作られたファンドの中から選ぶことが可能です。
2.2 Fixed Income Funds(債権ファンド)
債券で構成されているファンドです。発行元機関(国債、地方債、社債)、格付け(優良債、ジャンク債)、期間(長期債、短期債)、発行国(外国債を含むか否か)等、様々なテーマ(またはそれらのテーマのコンビネーション)に沿って作られたファンドの中から選ぶことが可能です。
私事ですが、日本でアメリカへの留学費用を貯めていた時は、元本の安全を最優先に考えていたので、中国ファンド(中期国債投信)や公社債投信などを中心として運用していました。これらはFixed Income Fundとなります。留学準備費用のように、比較的短期で利用する予定であまりリスクを取りたくない場合は、元本割れのリスクが少ない(といっても絶対とはいえませんが)債券ファンドまたは定期預金にしておくのが無難ですね。
2.3 Index Funds(インデックス・ファンド)
S&P 500のような指標(インデックス)を模倣する形で、該当するインデックスを構成する株式を購入するファンドです。インデックスにはS&P 500以外にも、同上のEquity Fundと同様のテーマで作られたもの(大型割安株のインデックス、小型成長株のインデックス)や、債券のインデックスファンドもあります。
2.4 Balanced Funds(バランス・ファンド)
株式と債券の両方で構成されているファンドです。
3. ミューチュアル・ファンドの特徴
いろいろありますが、ミューチュアルファンドを始める前に意識しておくべきことは以下の通りです。
3.1 値決めのタイミング
値段が決まるのは1日に1回のみ(株式市場終了後)です。
-
- 株式市場が開いている時間帯には前日の価格が表示されています。
3.2 最低購入金額
初めて買う場合は最低購入金額が決まっているファンドが多いようです(大抵は$2,500~$3,000位が最低金額です)。
但しファンドによっては、IRAでの投資の場合は最低購入金額が低めに設定してあることがあります。
いずれにせよ、追加購入の時はいくらからでもOKのことがほとんどだと思います。
3.3 購入時の手数料
購入時に手数料がかかるファンドとかからないファンドがあります。
Fidelityの場合、購入手数料がかからないファンドは「NTF (No Transaction Fee)」と記載されています。
購入手数料がかかるファンドの場合、オンラインで購入するのか電話で購入するかによって値段が異なるようです。オンラインの場合の手数料は$49.95~$75、電話での購入の場合はさらに割高となっているようです。
3.4 売却時の手数料
NTFファンドの場合、購入後、短期で売却すると、 短期取引手数料( short-term trading)や償還手数料(redemption fee)が課される可能性があるので注意が必要です。
3.5 残高に応じた費用
購入時の手数料とは別に、ファンド・マネジャーへの報酬、ファンドの運営費、マーケティング費等として、保有ミューチュアル・ファンドの残高に応じて費用がかかります。具体的に残高の何パーセントに費用がかかるかは各ファンドの「Exp Ratio」を確認してください。
個人的には1%を目安に費用が高いか低いか判断していました(手数料が1%超のものは高め、1%未満のものは安め)。別途説明する予定のETFはミューチュアル・ファンドよりもぐっと手数料が安いということで知られていましたが、最近は手数料がゼロのミューチュアル・ファンドも出てきているので、一概にミューチュアル・ファンド=手数料が高いとは言えなくなってきているようです。
3.6 売買の仕方
購入するときは何ドル分を購入するか金額を指定するのみですが、売却するときは金額、シェア数どちらを指定しても大丈夫です(いずれの場合も、一部売却でも全部売却でも可)。売却後はすべて現金のままにする方法と、売却によって得た資金を使って別のミューチュアル・ファンドを同日購入するということも可能です。
3.7 自動投資(Automatic Investments)
毎月一定金額を銀行口座から証券会社に移動し、予め指定した銘柄のミューチュアル・ファンドを購入するという方法が可能です。これは株式やETFにはないミューチュアル・ファンドの利点で、この意味で、IRAを毎月少しづつ拠出したい人には向いているかもしれません。
長くなったので、いったい終了します。次回は、どのミューチュアル・ファンドを購入するかの決め方についてのお話をしたいと思ってます。
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